アスベストは数年前に大きな社会問題になりました。

アスベストはその保温効果・断熱効果を持つ性質から、マンションや住宅を建築する際に保温材・断熱材として壁や天井に吹きかけることが珍しくありませんでした。

そのアスベストに発がん性があることが広く知れ渡り、多くの建物ではアスベストが使用されなくなっていきました。

しかし水道水にアスベストが含まれている可能性があるといったら多くの人が驚かれるのではないのでしょうか。

なぜ水道水にアスベストが含まれる可能性があるのでしょうか。

アスベストが水道水に含まれている?

アスベストとは

まず最初にアスベストについてもう少し詳しく見ていきましょう。

アスベストは石綿と呼ばれ、以前はどこにでもあるもの、どこにでも使われているものでした。中学校や高校の理科の実験でも普通に石綿が使われていたのを覚えています。

特に保温材・断熱材としての効果が高かったため「奇跡の鉱物」と呼ばれ、多くの建設現場で使用されてきました。

しかし時が経つに連れて石綿にかかわってきた多くの方が、肺線維症(じん肺)や悪性中皮腫などの肺がん系の病気に罹患してしまうという健康被害が明るみになってきました。

原因を調査してみると、これは空気中に飛散した石綿(アスベスト)を吸い込むことにより、肺にその石綿が蓄積して肺がん等が引き起こされてしまったということ、いわゆるアスベスト(石綿)が原因だということがわかりました。

このような経緯により、いまではアスベスト(石綿)は中皮腫などの肺がんの原因物質として、原則としてその製造等は禁止されています。

アスベストと水道管の関係

このような健康被害を引き起こすアスベストですが、なぜ水道水と関係があるのでしょうか。

水を浄水場から各家庭に送り届けるためには水道管が必要となってきます。

その水道管にはいろいろな種類があり、金属管・樹脂管・セメント管など多くの素材が使用されてきました。

以前に「水道水の鉛を除去する方法」をお知らせしましたが、水道水から鉛が検出されるのは、「鉛管」という金属管が水道管として利用されていることが原因となっています。

それと同じように昔は水道管として「石綿セメント管」というものが使われていたことがあります。

この「石綿セメント管」が、水道水にアスベストが含まれる原因となっているようです。

アスベストが水道管に使われていた!?

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セメント管というセメントで出来た水道管があるのですが、その強度を増すためにセメントに石綿(アスベスト)を混ぜて作ったものが「石綿セメント管」です。

日本では昭和40年代まで、この「石綿セメント管」が水道管として利用されることも珍しくありませんでした。

多くの市町村で水道管の取り換え工事をしているのですが、現在の日本でも多くの地区でこの「石綿セメント管」がそのまま利用されているのが現状です。

石綿セメント管のアスベストの影響

ではこの「石綿セメント管」のアスベストは、水道水に影響を与えることがあるのでしょうか。

残念ながら「石綿セメント管」のアスベストが劣化や腐食により水道水に溶け出し、その結果として水道水にアスベストが含まれていることは事実としてあります。

「水道水にアスベストが含まれているの?飲めないじゃないか!」

このように早急に考える必要はありません。

WHO(世界保健機関)では、飲料水としてのアスベストの危険性は小さいとしてガイドラインを定めていないようです。

なお、厚生労働省では、アスベストは、呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性はきわめて小さく、また、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにないことから、水質基準の設定を行っていません。
世界保健機構(WH0)の飲料水水質ガイドラインにおいても、飲料水中のアスベストについては、「健康影響の観点からガイドライン値を定める必要がないと結論できる」としています。

WHOや日本の厚生労働省では、水道水中のアスベストについて危険性はないと考えているようですね。

こうしてみると水道水に含まれるアスベストについてはあまり気にする必要はないのかもしれません。

アメリカの論文で水道水とアスベストの関係を調べてみました。

もう少し調べてみようと考えアメリカの論文を調査したところ、気になる論文を発見しました。

Of weaker significance (0.01 less than or equal to 0.05) were female esophagus, pleura and kidney, as well as stomach cancers in both sexes. These associations appeared to be independent of income, education, asbestos occupation, marital status, country of origin and mobility.

簡単に訳すと、
「白人男性や白人女性で、胃などでアスベストの含有量とがんと罹患の関係が確認された。これらは収入や結婚や住居とは無関係だと思われる」
と記載されています。

これは1980年にサンフランシスコで出された論文であり、かなり古いものでその信ぴょう性も高くないのかもしれませんが、多少気になりますよね。

多少気になりますが、WHOなどがガイドラインを定めていないほどリスクならば、それほど気にする必要はないのかもしれないです。

私自身は水道水は一応安全だと考えているのですが、何となく直接に飲用することはためらいがあるので、できるだけ天然水を飲むようにしています。

何となくというあやふやで科学的でないものですが、やはり毎日飲む水はいいものを飲みたいですからね。

「大丈夫なの?」と不安を持ちながら水道水を飲むのは、逆プラシーボ効果が出そうで怖いので天然水を飲むようにしているのですが、あまりそこまで考える必要はないのかな?

まとめ

「水道水にアスベストが含まれている可能性がある」と聞くと驚かれる方が多いと思います。

日本ではかつて、石綿セメント管と呼ばれるアスベストを含んだ水道管が使用されており、現在でも石綿セメント管は残されているのが現状です。

その石綿セメント管が腐食するなどの理由で、水道水にアスベストが溶け出してしまうことがあります。

ですので、水道水にアスベストが含まれている可能性はああるでしょう。

それでは水道水に含まれるアスベストの危険性はどうなのかというと、WHOや厚生労働省ではその危険性はないと考えているようですが、アメリカでは健康被害と関連があるというデータもあるようです。

実際のところ、日本の水道水を直接に飲用することにそれほど危険性があるとは考えられませんが、これは個人がどうそのリスクを評価するかによると思います。

リスクがあると考えたり、私のように何となくいやだと考えるなら、天然水や逆浸透膜の浄水器を利用するといいのかもしれませんね。